台東にて 2
2010年01月21日
私たちがこの夜泊まったのは高台のコテージ。門も屋号も、そして玄関すらない。ここに来る前に何軒か小さなコテージをまわった。海沿いのおもちゃ箱の様な貸別荘、ハーレやBMWの名だたるバイクを所有するおじさんの民宿、少し山に入った見晴らしのいい何故かイングリッシュガーデンのあるコテージ、そしてここ。留守番のラブラドールが吠えもせず庭でのんびり寝そべって、建物の鍵は開いてるが人の気配はない。きれいに掃除がされ、裏庭にまだ湿ったシーツが干されてはいるが、よべどもよべども返事はない。連休明けの火曜に訪れたので今日はお休みなのかな?などと思いながら電話をする。と、「30分後に行くからてきとうにやっててくれ」とのこと、
そういえば他のコテージも鍵が開いてたよな〜、多分この町はこんな感じで、の〜んびりしている。のら犬はいつもしっぽを振りながら道路を横切るし、のら猫はちゃんと椅子に座ってお相伴に預かってる。誰も彼らをいじめたり、怒ったり、そういうことしなくてもみんなでうまくどうにかやっていけるんだろうな〜
夜になると少し肌寒い。庭に寝そべって降り注ぐほどの星空を仰ぎみる。テラスにもどり椅子に座って驚いた。目の前の黒い海の上、その真っすぐ上に月が昇り波間を照らしている。しかもかなり明るい。近眼の連れはそれを町灯りだと勘違いしたほど、それほど明るく、目映く、美しい景色だった。今日はこれでぐっすり眠れる。
宿にはここのおやじさんが趣味人であること思わせるようなものがちらほら、簡素で気持ちの良い浴室、ちょっとかわった照明器具、フォルモサの本、そしてサイフォンコーヒー。のんびりした朝にはコーヒーがポコポコ沸くのを眺めるのも又おつなもので、、そんなことをしていたらハワイが私たちを迎えにきてくれた。
道の横の売店で釈迦頭(しゃかとう)を食す。生まれて初めての釈迦頭体験(漢字で書くとへん?)こんな形で。ほんとにラホツだらけ、台東の名産でここで食べるのが一番美味しい。
ねっとりと、蜜の様に甘く、ライチの様に香る。食感はねばりのあるマンゴーで味は熟したラフランス。青いのと、黄色いのは種類が違い味も香りも違う。あっさりしたいときは青いのがお勧め、こっくり行きたいときは黄色い方で、味見と言いながら次々と勝手に割っては私ら食い尽くす。
こんな木です。釈迦頭は必ず完熟してから食べましょう。お尻の辺りを指で押さえ、やわらかければ完熟です、上だけやわらかくてもまだ食べられないのでご注意。手でざくざく割ってむしゃぶりついて種を「ペッ!」と吐き出すのが地元流。
「台東の男はこれで決まる!」と噂の椰榔にもチャレンジ!どうやら地元の人にはガムのようなものでなぜだか男性だけが口にする。女、子供は食べないそうだ。車の中でハワイから1つもらってかじろうとしたら皆に止められ、降りて食す。「ぎゃー!!」「しぶ〜!」涙、そして嗚咽、口の中が麻痺。「これはあんまり美味しくないね〜」と、ハワイは言いながらも噛み続けている。彼の唇はすっかり染まってオレンジ色(それは彼らの間でセックスアピールのひとつなのかな?)しばらく車で走ってまた椰榔屋の前で止まる。さっきのは素朴なものだったけど、次のはちょっと加工してある。パッケージもビキニの姉ちゃんの写真だし、で、懲りずに又かじる。今度のは渋みも少なく、清涼感があって、口の中が清々しい??いやいや、やっぱり私にはそんなに美味しくないのだ。そん私を尻目にハワイはもう5、6個目。
で、こんなお昼を食べ、5人で1000円。安い。
午後はハワイがプロデュースを手伝う改装中のコテージを見学。その後、布農(プノン)族の集落に向かい美しい歌声を堪能。
台東の美しい景色はそこここに広がりシルクロードの様に道が続く。そして横には茶畑〜。やっぱりのんびり〜。忙しい様なのんびりしてる様な温かい台東の2日間。ありがとうハワイ!(で、この名前はないよね)。