銀のスプーンたち
2007年08月26日
私の前職はフリーのジュエリーデザイナー。大学院を出てから店を持つまでの5年間はこちらが本業だった。大学で彫刻を専攻していた2年目、ふと小さくて精密なものをつくりたくなって街の彫金工房に通いだした。17年経つ今もその工房に通っている。なかなか気長な趣味、というかここまでくればライフワークだ。17年もやっているのでわが家には膨大なシルバージュエリーがある。まぁ、店に立つときはあんまし関係ないか、、。
ここ数年の創作の興味はもっぱらスプーンで時間があるとこつこつと叩きだして1本づつ増やしている。広げてみるとけっこうな数になる。
小さな延べ棒の様な形状の銀地金を叩きだして作るとこんな形に。
広い板状の地金を切り出して成形していくとこんな形に。
少しずつ技法を混ぜたものや形に変化をもたせたらこんな形に。
初めて作ったものが一番のお気に入り。機能的ではないけど自分の自我がないというか作為めいたところがない。形もなんだかへんてこでふにゃふにゃなのがご愛嬌。
以前は指輪やネックレスなんかを作ってそれを身につけるのが楽しみだった。女の子はお洒落がしたいもん。今は自分のためというよりか誰かに使ってもらえるものをちょこっとだけ作ることに興味がある。少しは大人になったということでしょうか、ね。