料理書あれこれ 其の1
2007年09月02日
いろんな国を旅して美味しいものを食べて暮らせたらどんなに幸せだろう。でも現実はそんなに甘くなく日々のお仕事に忙殺されのだ、、。そんなときは書棚の料理本をななめ読む。ちょいと船で渡ったつもりで中国、韓国、タイ、ヴェトナム、インドネシア、インドにトルコ。ユーラシア大陸を進むとヨーロッパ。ギリシア、イタリア、スペイン、そして美食の都フランスへ。北上してアイルランド、いや,南下してチュニジア、モロッコ。大西洋を渡るとアメリカ?、ニューオリンズはなかなかあなどれない。そのまま縦断してメキシコやブラジルへ。レシピを通して小さな世界旅行が自宅にいながら楽しめる。でも料理本ってきれいな写真が満載でレシピを紹介しているものだけではないんです。そこには奥深〜い世界があるのです。
「腹が減っては戦ができない」、とはこの本の最初の言葉。軍事ジャーナリストの著者が世界中の戦地で取材した戦闘食を国別に採点している。基準は量、味、調理性、携帯性。極寒地用のノルウェー軍の1日分の携帯食はなんと7500カロリー。イタリア軍はあたためていただけるパスタ、ワインも付いて美味しそう。兵器は凄いスピードでハイテク化していくのに戦闘食はまだまだローテク、お国柄が現れる。そんな戦闘食を通じて戦争のリアルさを垣間見る。戦争はなければないにこしたことはない、でも現実はそうではない。「小さな食卓を笑顔で囲める」。そんな何気ない景色を大事に思えることが平和に繋げていけるのでは、、と、考えてしまった。
タイトルに怪食紀行秘蔵写真集とついている。ゲテモノが苦手な人は開けるべからず。醸造学、発酵学が専門の著者がとりあえず凄い!。何でも食べちゃう、何でも飲んじゃう。ブラックホールの様な胃袋に圧倒される。アジアの食文化の奥深さが恐怖心とともに実感できる希有な本。食べることを通じてその地の文化にふれる。私の舌にももっと冒険させないといけないよな。
歴史上の人物がいったい何を食べていたのか?そんな問いに想像性をプラスして作られたレシピがユニークで面白い。是非手に取って料理写真を眺めていただきたい。なんと言ってもこの本の一番の魅力はスタイリング!アーティスティクで華麗で繊細。本のコンセプトをさらに広げて楽しませてくれるその美しさに脱帽。こんなテーブルに私もダーウィンとともについてみたいものだ。
そして其の2に続く、、、、