大山崎山荘美術館でのケータリング
2007年09月22日
9月20日、木曜。
アサヒビール大山崎山荘美術館で河井寛次郎「炎の造形」展が始まりました。まだ暑さも惹かず、ケータリングには酷な日ですが今回は学芸員の方と秘策を練り素敵でちょっとびっくりなオープニングレセプションを準備しました。
今回は料理がなくなった後が本番!お皿は全て寛次郎氏ゆかりの作家さん、今回の出品者の方々のものです。7枚のお皿の評価額で国産車が買えてしまいます。ドキドキです。そしてもちろん保険付き、、ほっ、、。
始まる前はこのようないで立ちです。料理がなくなった後にお皿がよく見えるよういろんな工夫をしてみました。
イクラたっぷりのお寿司。イクラは私の大好物、死ぬ前に何を食べるかの筆頭。まだあまり大きくないこの時期のすじこを網にのせてお掃除をし、お酒で洗って軽く塩をするのがお気に入り。お米はお皿にひっつきやすいので一番下に錦糸卵を敷いて直接お皿にふれない様にしました。
お皿は椋木春水氏の紅葉文楕円皿
生ハムのサラダのまわりをぶどうのつるで飾り、直径60cmもある大皿にたっぷりと盛りつけてみました。グレーがかった薄い青紫のお皿の色に生ハムのグレーがかった赤い色とぶどうの緑色がきれいな取り合わせです。
お皿は森山雅夫氏の藁灰釉大皿
栗、サツマイモ、かぼちゃのローストのローズマリー風味。秋らしいお皿になりました。
お皿は河合久氏麦藁手皿
タイ風海老の揚げパン。
お皿は河合久氏の呉須花紋角皿。
タンドリー風チキン。
お皿は河合透氏の花文掛分角皿。
色とりどりのぶどう。お皿は河合敏孝氏。
いちぢくいっぱい。お皿は河合透氏。
素敵なお皿がたくさん並んでそこに自分の料理を盛りつける。今回は貴重な体験となりました。半月ほど前に学芸員の方からお皿の写真を頂きそれにあわせてメニューを考えました。お皿の色やイメージからエスニックな料理があうであろう、それと季節感を盛り込む。そして料理がなくなったときにお皿がきれいに見えるよう汁やソース、油がのこる料理をNGとしました。どのお皿もやはり素晴らしく料理を盛りつける手がうきうきとしてしまいました。お皿の力がしっかりしているので料理はなるべくシンプルであるよう心がけたりそんな思いや考えが予想以上にまとまったのではとちょっと自信作です。
大きな声では言えませんが本当は河井寛次郎氏のお皿に〜とラブコールを送ってみたのですが、、、さすがに苦笑いされてしまいました。
人が住まう家として造られた大山崎山荘美術館では生活感のある河井寛次郎の陶器たちがとけ込む様に並べられています。(この先は妄想)玄関では山の涼やかな野花を活けた花入れが客人を迎え、掛けられた陶板の書を楽しむ。居間で陶彫の作品を手に取りながら眺め,書斎で筆入れをお借りして親しい人に手紙を書く。食事時になると2階の食堂で焼いた塩鯖、ししとうの炊いたん、お汁とお漬け物と炊きたての白いご飯が器に。何でもない普通の夕食をテラス越しに頂く。食事の後は3階の秘密の部屋へ、赤いソファにゆったり腰をおとし夜更けまで酒器を手に日本酒を酌み交わす、、、。あ〜想像しただけで新飯が何杯も食べられる、いや、お酒がすすむ?、ではなく白州正子の気分が味わえる、のでしょうか。こんな夢の様な河井寛次郎づくし抽選で1名様にプレゼント!!!とかいかがでしょうかね。世界中から応募が殺到して私が射止めることができなくなるか、しゅ〜ん、、。勝手に妄想して撃沈してしまいました。でも、そんな妄想を膨らましてくれる寛次郎の陶器たちはガラスの中にいてもその力は衰えていないようです。